計画研究
2023年度においては、最終のとりまとめ作業を進め、以下の項目について整理と論文化を実施した。まず第一に、フロー式触媒反応装置における特異的な活性向上のメカニズム解明を宮村班と共同で実施し、Journal of Flow Chemistry誌にて発表した。特に、気液固3相の接触が鍵となっていることを滞留時間分布測定と反応速度解析を気液比を変えた条件で調査して明らかにした。気液固3相の直接接触は、通常のバッチ式装置では発生しないが、フロー式反応器での高秩序状態によって維持されていることが判明した。第二に、均相系の混合・反応挙動について、独自に開発した発色反応系とインライン分光分析から詳細に検討し、Chinise Journal of Chemical Engineering誌にて発表した。混合の速度と乱雑性にある種のトレードオフ関係が存在することを明らかにした。第三に、T字ミキサー、V字ミキサーでの高レイノルズ数領域での混合における非定常性、乱雑性について、蛍光顕微鏡法を用いて観察・解析を実施した。高レイノルズ数領域においては、流れは周期性を持たないカオス状となる。V字ミキサーの場合、等量混合では、非定常性が強く出てしまい、規定の混合比が保てなくなる一方、非等量では非定常性が大きく軽減され、1ms程度での完全混合が達成できることを実験的に明らかにした。得られた成果はChemical Engineering Journal誌にて発表した。これらはいずれもフロー式反応器特有の秩序構造が化学反応に及ぼす影響について、新たな観点から明らかにしたものであり、領域研究の成果にふさわしいものである。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Chinese Journal of Chemical Engineering
巻: 66 ページ: 119~124
10.1016/j.cjche.2023.09.009
Chemical Engineering Journal
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Reaction Chemistry & Engineering
巻: 8 ページ: 1341~1348
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Journal of Flow Chemistry
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