研究領域 | 素粒子現象から巨大構造物までを透視するマルチスケールミューオンイメージングの創成 |
研究課題/領域番号 |
21H05087
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
福元 豊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60757350)
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研究分担者 |
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 研究教授 (00399354)
北川 暢子 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任助教 (20727911)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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キーワード | ミューオン / 非破壊探査 / 河川堤防 |
研究実績の概要 |
本研究では,原子核乾板を用いたミューオン計測技術に基づいて河川堤防に対する新しい非破壊探査方法を構築する(研究A:非破壊探査方法の革新)とともに,得られた計測結果と数値解析モデルを組み合わせて堤防盛土における水-土の力学への理解を深める(研究B:水-土の力学の深化)ことを計画している.今年度は以下のような成果がそれぞれ得られた. 研究Aでは,2021年9月の研究開始以降,新潟県内の河川堤防において複数回の現地計測を実施した.また,ミューオンの検出器として用いる原子核乾板を樋管内に設置するための専用器具を開発した.今回選定した計測地点の1つでは樋門の施工時に堤体断面の土質構成が調査されているため,今後は計測結果との照合を行う予定である. 研究Bでは,堤防盛土の経年劣化の要因となりうる浸透破壊や亀裂進展に関する数値解析手法を高度化した.浸透破壊に対するモデル開発では,格子ボルツマン法と個別要素法を連成したLBM-DEMによって,模型装置の寸法で浸透流と土粒子の両方に対する直接計算が可能であることを示した.また,亀裂進展に対するモデル開発では,地盤中で亀裂や破砕が蓄積する状況を扱う方法として,Peridynamicsと個別要素法を組み合わせたPD-DEMを提案し,検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年9月の研究開始より前の段階から計測地点の選定を始めていたため,半年間で複数回の現地計測を実施することができた.一方で,計測結果の分析が進み,堤防内部の詳細な情報が得られる段階に向けて,数値解析モデルの開発も進めている.よって,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,計測地点と検出器の設置数を増やしながら,引き続き初年度と同様の作業を進める.得られた結果は随時,施工時に調査された堤体断面の土質構成と比較することで,土構造物に対する検出器の設置方法や空間分解能と時間分解能を明らかにする.また,本年度の後半の時点で約1年間の計測データが得られる予定であり,長期間のミューオン計測であることを活かした分析も行う.
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