研究領域 | 素粒子現象から巨大構造物までを透視するマルチスケールミューオンイメージングの創成 |
研究課題/領域番号 |
21H05088
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
大谷 将士 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (90636416)
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研究分担者 |
不破 康裕 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (00817356)
森下 卓俊 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究副主幹 (30370480)
近藤 恭弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 主任研究員 (40354740)
二ツ川 健太 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (50713153)
惠郷 博文 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (60399615)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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キーワード | ミューオン / 円筒装荷型加速器 / イメージング |
研究実績の概要 |
20世紀初頭から現在に至る加速器科学の発展は、電子や陽子・イオンなど種々の量ビームの利用を可能にし、ヒッグス粒子の発見や量子線治療など人類の叡智を切り拓いてきた。本研究では、申請者が世界で初めて実証したミューオンの高周波加速を用いた新しいイメージング技術の確立を目指し、ミューオン加速技術の高度化による加速器の小型化に挑戦する。 今年度は中速度(光速の約60%)以上のミューオンを高勾配で加速するミューオン専用加速管の原理実証器の製作ならびに試験を行った。特に、これまで実績のある電子用の加速管より低速度であるために加速軸方向の長さが短く、共振周波数やQ値などの基礎特性から測定・調整する必要がある。製作と並行して周波数特性などの低電力試験を行って数十マイクロメートル程度の調整加工を行うとともに、最終的にはディンプリングと呼ばれる手法で内径を微調整することで、周波数ならびにQ値がそれぞれ0.01パーセント・数パーセント以下で基本要求を満たすことを確認した。 今後は本測定結果に基づいて実機における加速ビーム品質の評価と移相分布などの詳細測定を行うとともに、イメージング装置実現にむけたミューオン加速器全体の設計・評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は社会情勢の影響で加速管の材料となる無酸素銅の調達が遅れてしまったために計画の変更を余儀なくされたが、先行してディンプリングなどの調整機構を含む工学設計まで実施することができたため、今年度の目標であった中速度(光速の約60%)以上のミューオン専用加速管の原理実証器の製作ならびに基本性能の測定まで行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、加速管加速部の原理実証器の製作および基本性能の測定を完了した。今後はセル間のカップリングなどの詳細測定を行って実測に基づく加速ビームの評価を行うとともに、上流加速器とのマッチングなどの検討を行う。
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