計画研究
小胞体内化学的触媒反応場の形成メカニズムを明らかにするため、分子生物学的手法により構成成分やトリガーとなる因子を抽出する。既に、小胞体内化学的触媒反応場の形成因子を見出しており、2021年度は小胞体内化学的触媒反応場の形成および消失メカニズムを明らかにするため、A01班齋尾と協力し、NMR測定による立体構造・ダイナミクス解析を行った。その結果、小胞体内化学的触媒反応場の形成因子の構造変化を捉えることに成功した。また、2021年度は、小胞体内化学的触媒反応場の可視化を目指し、屈折率を活かしたホロトモグラフィー顕微鏡を設置し、in vitroでの化学的触媒反応場の形成と消失の可視化に成功した。さらに、本化学的触媒反応場に取り込まれる因子を幾種か同定し、本反応場内の屈折率の変化を追うことが可能となった。この結果は本化学的触媒反応場に蛍光標識した各因子を取込む結果とconsistentであり、本化学的触媒反応場の内部のpacking状態の評価を可能とした。今後、細胞内の化学的触媒反応場の可視化を目指す。
2: おおむね順調に進展している
ホロトモグラフィー顕微鏡を設置し、in vitroでの化学的触媒反応場の形成と消失の可視化に成功した。また、本化学的触媒反応場に取り込まれる因子を幾種か同定し、本反応場内の屈折率の変化を追うことが可能となったため、当初の予定通り進行していることを裏付ける。一方で、細胞内実験の可視化が今後の課題である。
本化学的触媒反応場の形成メカニズムについて論文化を目指すため、NMR測定による立体構造・ダイナミクス解析を進め、2022年度中の論文投稿を目指す。さらに、細胞内の可視化や、本反応場に取り込まれる因子の探索をさらに進め、本区画における生理学的意義の追及を推進する。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
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