計画研究
小胞体内化学的触媒反応場の形成メカニズムを明らかにするため、分子生物学的手法により構成成分やトリガーとなる因子を抽出する。2021年度から小胞体内化学的触媒反応場の形成因子を見出しており、2021年度から引き続き2022年度は、小胞体内化学的触媒反応場の形成および消失メカニズムを明らかにするため、A01班齋尾と協力し、NMR測定による立体構造・ダイナミクス解析を行った。その結果、小胞体内化学的触媒反応場の形成因子のアミノ酸アサイメントを終えただけでなく、構造変化を捉えることに成功した。さらに、化学的触媒反応場に不可欠な領域の特定に至った。さらに、前年度から引き続き、小胞体内化学的触媒反応場の可視化を目指し、屈折率を活かしたホロトモグラフィー顕微鏡を設置した(ParkらNat. Photonics 2018)。その結果、幾種かのシャペロン、酵素、基質、低分子化合物の濃縮の可視化に成功し、濃縮における選択性を示すことが出来た。さらに前年度の課題であった細胞内検証において、U2OS細胞を用いて、免疫沈降法を用いて検証した結果、細胞内fociを確認することが出来た。最終年度では、動的な反応遅延制御環境における酵素反応遅延のメカニズムを明らかにするための酵素反応の素過程を追跡する。また、C01班村岡と協力し、反応遅延制御の反応場の化学制御が可能になると考えられる、幾種かの酸化還元化合物を開発し論文として発表した。
1: 当初の計画以上に進展している
A01班齋尾と協力し、反応遅延制御に関わる反応場に関し、解析を終えており、現在論文投稿準備中である。さらに、また、C01班村岡と協力し、幾報か論文として発表・投稿中であることを鑑みると、当初の計画以上に本研究計画が進んでいることを裏付ける。
2022年度までに特定した幾種かのシャペロン、酵素、基質、低分子化合物の濃縮における選択性から、反応遅延を実現する生理学的意義が存在すると考えられる。そのため、次年度では反応場における酵素反応遅延について検証する必要がある。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 9件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Chem.Lett.
巻: 52 ページ: 202-205
Biophysics and Physicobiology
巻: 19 ページ: e190024
10.2142/biophysico.bppb-v19.0024
RSC Advances
巻: 12 ページ: 26658-26664
https://web.tohoku.ac.jp/okumura/