研究領域 | ヘテロ群知能:多様な細胞の集団動態から切り拓く群知能システムの革新的設計論 |
研究課題/領域番号 |
21H05104
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加納 剛史 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80513069)
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研究分担者 |
末岡 裕一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50756509)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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キーワード | ヘテロ群知能 / ハイアベレージ |
研究実績の概要 |
本研究では、様々な性質を持つ個体が変動環境下において、適切な内部状態や果たすべき 役割を自身で見つけながら秩序を創発し、適応的にハイアベレージな機能を発揮するヘテロな群知能システムの構築を目指している。この問題に取り組むため、A02班、A03班では多種多様な細胞の群れの集団動態を高精度の実データ解析により探るが,本計画班(A01班)では、数理モデリングとシミュレーションによりヘテロな細胞の集団動態が発現する本質的な要因を構成論的に探るアプローチを採る。具体的には,申請者が構築した人間関係の形成過程の数理モデルを起点とし、制御の視座に基づき考察を深め、A02班、A03班の実験結果を説明し得る制御原理を見出す。さらに、抽出した制御原理を用いて群ロボットを開発し、細胞より大きなスケールでも原理が通用することを示すと同時に、変動環境下でハイアベレージな機能を発揮する人工物を実世界実現することを目標とする. 2021年度は,A02班,A03班とそれぞれ議論を行い,各班で取り扱っている生命現象の本質的な要因を探究した.議論の結果、A02班で扱っているショウジョウバエの蛹における筋肉リモデリング過程と、A03班で扱っているマウス脳内ニューロンの集団移動(chain migration)のメカニズムについて、自然言語的に理解をすることができた.また,工学的な視座から、機械学習を通してヘテロ群知能を設計する試みも行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
A02班,A03班と議論を行い,各班の現象の本質的な要因を自然言語的に理解することができたものの,数理モデル化には至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
A02班,A03班との議論を加速し,数理モデルを構築する.生物実験結果を数理モデルに取り込むとともに,シミュレーション結果に基づいてA02, A03班に仮説を提示し,解析的アプローチと構成論的アプローチのループを回す.群ロボット実機のプラットフォーム構築も進める.
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