研究成果の学術的意義や社会的意義 |
μ、δ、κオピオイド受容体(MOR, DOR, KOR)の作動薬は鎮痛効果があり、とくにMORの作動薬であるモルヒネはがん性疼痛などに顕著な効果を示す。一方で、薬物依存などの重篤な副作用を示すため、その使用法は制限されている。多くの製薬企業などの研究機関がMOR作動薬の副作用を軽減する努力が長年行われてきたが未だに成功していない。本研究では鎮痛効果を示すDOR, KORの作動薬に着目し、様々な性質をもつ作動薬が結合したDOR, KORの立体構造を決定した。副作用を示す作動薬と副作用が弱い作動薬の結合状態を比較し、副作用の発現メカニズムを検討した。この構造情報は副作用のない薬剤開発に貢献できる。
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