研究実績の概要 |
松井および根東が中心となりマウスでの神経活動データ、特にシナプス入力のデータ取得と解析を実施した。松井は、向精神薬ケタミンを使用した際のマウスでの自発的神経活動の変化について、大脳皮質のほぼ全域で計測したデータを解析した。この結果、神経活動を反映するCa imagingと脳血流を反映する内因性信号とで向精神薬の効果に大きな違いがみられることが明らかとなった。以上の結果を論文として発表した(Li et al., BBRC, 2023)。根東は松井と協力し、松井の研究室でのin vivoイメージングの実験系の整備に貢献した。この実験系を用いて、自然画像に対する大脳皮質一次視覚野の視覚応答を記録した。関連して、特に画像処理に関して、生物規範的な神経回路と人工神経回路の相違点に着目した研究の調査を行い、総説論文を執筆した(Pham et al., Biology, 2023)。 松井は自発活動についてヒトfMRIでのデータ解析を進めるとともに、関連した研究についての総説を執筆した(松井等、統計数理、2023)。 また、桂林が中心となり、松井・根東と協力してオータプス系を用いた新規シナプス解析法を開発し、論文として発表した(Kitaoka et al., Frontiers in Neuroscience, 2024)。本解析手法を用いることで、神経細胞単体の自律的な活動調節がマルチセルラ・ネットワークの出力に及ぼす影響や関係した学習側について調べることが可能となる.
|