研究領域 | 極限宇宙の物理法則を創る-量子情報で拓く時空と物質の新しいパラダイム |
研究課題/領域番号 |
21H05183
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森前 智行 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (50708302)
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研究分担者 |
中田 芳史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (10808992)
Buscemi F. 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (80570548)
東 浩司 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子科学イノベーション研究部, 特別研究員 (90599549)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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キーワード | 量子情報 |
研究実績の概要 |
古典暗号の場合は多くのプリミティブにおいて、一方向性関数が最も基礎的なものであることが知られているが、量子を使った暗号の場合、必ずしも一方向性関数なしでも様々な量子暗号プリミティブが実現できることを初めて証明した。とりわけ、コミットメントと電子署名については、一方向性関数が無くても存在しうる疑似ランダム量子状態から構成できることを証明した。コミットメントについてはさらに、多者間計算までつなげることができることも示した。また、Aaronsonらによる、状態の区別とSWAPの等価性を応用して、古典では構成方法が知られていない仮定から公開鍵暗号を構成することができた。さらに、コミットメントのhidingとbindingを簡単に入れ替える理論的方法も構築できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上の業績を出すことができ、暗号におけるトップ国際会議であるCrypto、Eurocrypt、Asiacryptで発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこの方向性のもと、量子暗号および量子計算の研究を推進していく。とりわけ、量子公開鍵暗号について、一方向性関数から構成できることは最近証明できたが、それをさらに進めて、一方向性関数なしでも構成できないかということについて検討する。
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