研究領域 | Slow-to-Fast地震学 |
研究課題/領域番号 |
21H05201
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
濱田 洋平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (80736091)
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研究分担者 |
藤内 智士 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (10632557)
波多野 恭弘 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20360414)
山口 哲生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20466783)
野田 博之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50619640)
堤 昭人 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90324607)
山下 太 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 主任研究員 (90374165)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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キーワード | Slow-to-Fast地震 / 力学試験 / 数値実験 |
研究実績の概要 |
本研究では力学実験と物理モデリングを両輪とした新たな「物質科学」を創出して、Slow-to-Fast地震を支配している物理化学プロセスを紐解き、そのプロセスを地震予測モデルに組み込むことを目指している。当該年度では、研究計画の第2段階として、前年度までに導入した装置・設備を用いた力学試験と数値実験を実施した。 水圧―トルク制御式摩擦試験機をもちいた強度回復実験では、セラミックボールを用いたトルク制御実験を実施した。低速度摩擦試験と中-高速摩擦試験では、遠洋性シルト岩を用いた大型リング剪断実験により、非排水条件下では有効応力の減少により断層強度が低下すること、またすべり時の間隙圧上昇に起因してすべり弱化距離が顕著に小さくなることなどを明らかにした。長大岩石摩擦試験では同一の実験条件のもとで実施した二つのスケールでのガウジ摩擦実験結果を比較し、速度-状態依存摩擦則のパラメタの一つがスケール依存することを明らかにした。また、非平衡物理モデリングからは、速度強化領域と速度弱化領域をランダムに分布している系では、両者の割合が拮抗している場合に複雑なすべり挙動が生じることを確認した。例えば、局所的な遅いすべりが断層面の異なる場所で交互に発生するサイクルなども発生する。他方、速度強化・弱化の面積割合がどちらかに偏っていれば、摩擦不均質性はすべりの安定性に対して本質的な影響を及ぼさず、「多数派」によって断層面のすべり特性が決定されることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、整備した実験装置・数値計算器を用いた実験が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、整備された実験環境を用いて実験やデータ解析を実施する。当初の予定通り、種々の実験の実施と物理モデリングとの融合に向けた実験と議論を展開する。
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