計画研究
マルチスケール観測を実現するための技術開発として、以下の3つを行った。1.重力計測グループは、通信波長帯レーザーを用いた遠隔・多点同時重力計測手法を開発し、地殻流体移動に関わる重力変化を共通の光源を用いて複数地点で同時に捉えることを目指している。東北大は光源の周波数安定度向上、長期自動安定動作システムの開発、光ファイバーネットワークを用いた多点・遠隔計測方式の検討及び基礎実験に着手した。東大地震研は小型絶対重力計TAG-2の開発を開始し、東大理学部は検証のための重力データの解析手法の開発を開始した。2.ファイバ計測グループは、時間分解能は下がるが年単位の時間をかけて進行する地殻変動まで高い安定度と分解能で測れるTW-COTDRと、常時観測により高速~低速現象を高い分解能・ダイナミックレンジで観測できるTGD-DASの2つの手法を組み合わせて、両者の間に100年にもわたる長期整合性を持たせた観測システムを開発する。今年度は、海洋研究開発機構がTW-COTDRの開発及び神岡鉱山での比較検証のための事前工事を行った。高知大・産総研・東大地震研は比較手法の検討を開始した。3.海底計測グループは、地震計測と地殻変動計測の2つのサブグループに分かれ研究開発を行っている。今年度は、巨大地震の震源域となる水深6000 mを超える海溝付近における高圧に長期間耐えうる新たな広帯域海底地震計を開発する第一歩として、東大地震研が広帯域海底地震計センサー部の開発を行った。海底地殻変動計測では、東大生産研が、従来の船舶を用いた観測手法の問題点である時間分解能を改善する手法を開発する際に必要となる、海底地殻変動観測用基準局を構築した。
2: おおむね順調に進展している
大型機器開発を含む当初の研究計画に沿って順調に進行している。部分的にCOVIDによる観測、開発の延期が生じたが、全体の計画のほんの一部であるため影響は非常に少なく、2022年度末までに繰越分の補助事業を完了している。
マルチスケール観測を実現するための技術開発として、以下の3つを行う。1.重力計測グループは、今年度内容を継続し、東北大が光源の周波数安定度向上、長期自動安定動作システムの開発、光ファイバーネットワークを用いた多点・遠隔計測方式の検討及び基礎実験を行う。東大地震研は小型絶対重力計TAG-2の開発を継続し、東大理学部は検証のための重力データ取得・解析を行う。2.ファイバ計測グループは、海洋研究開発機構が、今年度開発したTW-COTDの性能を評価するため、神岡鉱山150m基線孔内光ファイバを用いた既存DAS機器、干渉型ファイバー歪計との比較観測を行うとともに、ケーブル構造及び温度係数の異なるファイバーを利用した温度変化補償手法を開発する。産総研・高知大・東大地震研は、広帯域地震計・孔内傾斜計・歪計等の既存地震・地殻変動観測技術との比較検討を行う。3.海底計測グループは、広帯域海底地震計のセンサ開発を継続するとともにその他の部位の開発に着手する。東大生産研は時間分解能を飛躍的に向上するため、無人・準常時観測可能としたブイ及びUAVによる海底地殻変動観測手法の開発を開始する。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Earth Planets Space
巻: 74 ページ: -
10.1186/s40623-022-01584-8
Geophysical Research Letters
巻: 49 ページ: -
10.1029/2022GL098162
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 8 ページ: -
10.1186/s40645-021-00453-4
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/eventreport.html