計画研究
課題①の細胞内局所環境を可視化するプローブ技術の開発については、細胞内局所に局在可能なpH蛍光プローブを合成し、細胞内pHの定量イメ ージング技術の開発に取り組んだ。HaloTagによって細胞内の様々な局所に局在化が可能なレシオ型蛍光pHプローブを開発した。このプローブを用いることで細胞内の酸性部位を効率良く検出することができた。課題②のマルチ計測・制御プラットフォーム技術の開発については、標的の細胞内標的蛋白質に対して蛋白質ラベル化技術と細胞内クリックケミストリーを利用して二種類の機能性分子(蛍光色素と電子顕微鏡で観察可能な構造体)を修飾するための分子モジュールの合成に着手した。課題②のマルチ計測・制御プラットフォーム技術の開発におについては、前年度に引き続き、蛍光顕微鏡と電子顕微鏡の両方で可視化可能な標識プローブの開発に取り組み、細胞内の標識タンパク質のマルチモーダルイメージングに取り組む。課題③の高速1分子超解像イメージング技術の開発については、アミノメチルシリコンローダミン(AMSiR)骨格を有するブリンキングプローブを設計し、複数の化合物を合成した。これらのプローブの1分子ブリンキング特性 (オン/オフ、ブリーチの時定数、オンあたりのフォトン数) を高速イメージングにより評価する方法を確立し、その結果にもとづいて、さらなる測定の高速化に向けた新たなプローブの設計と合成をおこなった。また、福間班と共同でIn-cell AFMと全反射照明蛍光顕微鏡の複合機を設計した。
2: おおむね順調に進展している
概ね当初の予定通りに研究計画が進行している。
課題①の細胞内局所環境を可視化するプローブ技術の開発については、本年度開発した細胞内局在が可能なpH蛍光プローブを用いて 、pH変化を伴う様々な細胞内現象を可視化する。具体的には、オートファジーに着目し、領域内研究者と共同してpH変化を引き起こす前のオートファジーの進行過程を可視化する。課題②のマルチ計測・制御プラットフォーム技術の開発については、引き続き標的の細胞内標的蛋白質に対して蛋白質ラベル化技術と細胞内クリックケミストリーを利用して蛍光色素と電子顕微鏡で観察可能な構造体を修飾するための分子モジュールを開発する。課題③の高速1分子超解像イメージング技術の開発については、高速自発的ブリンキングプローブによる細胞内のメゾ複雑体標識方法を確立し、秒オーダーの高速1分子超解像画像取得を達成する。In-cell AFM-全反射蛍光顕微鏡複合機を立ち上げ、同時観察画像の重ね合わせ技術の開発を進める。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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