研究領域 | クロススケール新生物学 |
研究課題/領域番号 |
21H05254
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
仁田 亮 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40345038)
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研究分担者 |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
佐藤 繭子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 技師 (80550376)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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キーワード | クロススケール新生物学 / 細胞骨格 / クライオ電子顕微鏡 / 光遺伝学 |
研究実績の概要 |
学術変革領域「クロススケール新生物学」の中で、本グループは細胞骨格ネットワーク構築とその破綻による疾病発症の分子機構を解明する。 1)非中心体性微小管ネットワーク形成のクロススケール解析:CAMSAP2は単独で相分離を起こし、その内部にチューブリンを取り込んで濃縮し、短時間で多数の微小管重合核を形成すること、さらにそこが微小管形成中心となり、放射状に微小管が伸長し、Cam2-asterを形成することを確認した。これらの成果は、ELife誌に掲載された。 2)光遺伝学によるタイムラプスクライオEM技術の開発:COS-7細胞を用いたタイムラプスクライオEM画像を取得し、解析を進めている。また、海馬初代培養細胞で同様の系を構築し、凍結実験を開始した。 3) 分子から個体のクロススケール解析法の開発―医学応用へ:拡張型心筋症のモデルマウスおよび拡張型心筋症患者由来のiPS心筋細胞の高圧凍結・凍結置換電子顕微鏡解析を進めた。これにより、ラミンの異常が遺伝子発現パターンを変容し、心筋細胞の未熟化が進むことで心筋収縮力が低下し、拡張型心筋症が発症することを突き止め、論文にまとめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微小管課題はeLifeに掲載、Actin課題はデータをまとめているところで、拡張型心筋症課題(Lamin)は論文執筆中であり、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
微小管課題は、HeLa細胞とiPS心筋細胞を用いたクライオ電子線トモグラフィー構造解析へと進むべく、GFP-CAMSAP2のノックインを進め、凍結条件の検討、Cryo-CLEMへと進める。 Actin課題は、データをまとめて論文投稿する。 拡張型心筋症(Lamin)課題は、患者さん由来iPS心筋細胞を用いたクライオ電子線トモグラフィーの準備を進める。
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