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2021 年度 実績報告書

NADPHオキシダーゼによる超硫黄分子の活性化と感染・炎症制御機構の解明

計画研究

研究領域新興硫黄生物学が拓く生命原理変革
研究課題/領域番号 21H05267
研究機関熊本大学

研究代表者

澤 智裕  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30284756)

研究分担者 住本 英樹  九州大学, 医学研究院, 教授 (30179303)
研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2026-03-31
キーワード超硫黄 / NADPHオキシダーゼ / NO合成酵素 / カテネーション
研究実績の概要

NADPHオキシダーゼ (Nox) はこれまで、Noxは酸素分子に電子を渡すことで、スーパーオキシド等を生成するとされてきた。しかし、最近、Noxファミリー因子であるNox2とNox4がそれぞれ、極めて効率よく超硫黄分子に電子を渡して、硫黄側鎖が伸長した高反応性の超硫黄分子を産生することを示した。さらに、一酸化窒素合成酵素NOSも同様の活性を有することを見出した。本課題では、NoxとNOSがともにNADPH依存的に超硫黄分子を活性化する可能性を検討し、これらの酵素を、硫黄の酸化還元酵素という機能特性に基づき、NADPH:Sulfur Oxidoreductase (NSOR)として再定義する。さらに、活性酸素や一酸化窒素と超硫黄分子による抗菌・抗炎症制御のクロストークを明らかにして、NSOR活性に基づき抗菌・抗炎症を誘導するという新たな発想に立脚した超硫黄分子創薬を目指す。本年度はNoxおよびNOS過剰発現細胞系の構築と、NOSについては組換タンパク質による活性測定系を構築した。Nox発現細胞およびNOS発現細胞にグルタチオントリスルフィドを処理すると、細胞内でさらに硫黄が伸長した超硫黄分子が顕著に増加した。またNox活性を示さないアミノ酸を導入した変異体の発現細胞ではそのような超硫黄リモデリングは観察されなかった。さらに組換NOSを用いて、GSSSGが基質として利用され、NADPHの消費が起こることを見出した。以上のことから、NoxおよびNOSは細胞内でNADPHを電子供与体として利用しながら超硫黄のカテネーションを制御している可能性が示唆された。今後、さらにその詳細な分子機構の解析をすすめる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた酵素発現細胞の構築、組換タンパク質を用いた定量アッセイ系の構築が順調にすすみ、それらを活用して研究がすすんだため。

今後の研究の推進方策

本年度は、昨年度に引き続きNoxおよびNOS過剰発現細胞系の構築とそれら細胞における超硫黄分子の精密定量システムの構築を行う。さらに、これら細胞株においてグルタチオントリスルフィド(GSSSG)を処理したときに、細胞内の超硫黄プロファイルがどのように変動するのか、さらにその変動と細胞の炎症応答がどのように影響を受けるのかを解析する。またタンパク質のポリイオウ化修飾を、特異的なビオチン化法によって解析し、タンパク質翻訳後修飾への影響を明らかにする。

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公開日: 2022-12-28  

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