計画研究
本計画研究では、野生動物の中でも特に機動力に優れた大型の鳥類と哺乳類を対象として、行動や情報処理にかかるコストや、行動による利益をバイオロギングにより実測して、階層ナビゲーションを支える行動ダイアグラムを解明する。本年度は、夏から秋にかけて野外調査を行い、新潟県粟島で繁殖するオオミズナギドリの成鳥83羽と、巣立ち幼鳥26羽にGPSや加速度などを記録するロガーを装着した。また、ドローンを用いて、野生のニホンザル個体群の観察をおこない、個体間の相互作用に関するデータを得た。移動データの解析に関しては、飛翔力学モデルを用いて移動シミュレーションを行い、種間の飛翔性能を評価したり、A01班やA02班と共同して、新しい解析手法の開発に取り組んだりした。領域内の融合研究の成果としては、生物集団の移動軌跡から相互作用の規則を学習する手法を開発し、情報系の国際会議NeuralPSにて発表したことが挙げられる。また、χ(カイ)ログボットの開発をA02班と行い、フィールドでの稼働に備え、各種のテストを行った。成果の一部をまとめ、学会発表及び国際誌論文発表(Science Advances, PNAS Nexus)を行った。
2: おおむね順調に進展している
鳥類に関しては、当初の計画以上に行動データを得ることができた。また、Science AdvancesやPNAS Nexus等のトップ誌に成果の一部を発表することができた。これらを鑑みて、おおむね順調に進んでいると判断した。
野外行動データの取得に関してはおおむね順調に進んでいるため、引き続き野外実験を行っていく。また、既に開始している、新型ロガー(χログボット)の開発とフィールドでの稼働、および得られたデータの解析(A02班との共同)をさらに進めていく。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
Science Advances
巻: 8 ページ: eabl6848
10.1126/sciadv.abl6848
PNAS Nexus
巻: 1 ページ: in press
10.1093/pnasnexus/pgac023
https://bio-navigation.jp/
http://yoda-ken.sakura.ne.jp