研究領域 | サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション |
研究課題/領域番号 |
21H05296
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高橋 晋 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20510960)
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研究分担者 |
牧口 祐也 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00584153)
井出 薫 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (90806671)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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キーワード | 海馬 |
研究実績の概要 |
マウス・ラットを対象とした室内実験や、サケ科魚類を対象とした屋外実験を実施した。 室内実験では、独自開発の再構成可能な迷路を活用し、ナビゲーション中のイベントに対する海馬情報表現を調べた。その結果、海馬がイベント境界を表現していることが示唆された。この結果は、学会などで発表した。また、迷路形状を自動変形可能な自動変形迷路を開発した。圧縮空気により昇降させる台を組み合わせることで、様々な形状を瞬時に構築することができる。いくつかの台には、餌を射出するサイトを設けることで、様々な位置にゴールを設定することでき、それを瞬時に切り替えることも可能である。更に、モーショントラッキングと、超音波非接触刺激装置を組み合わせる試みも開始した。 多個体インタラクションについては、複数のマウスがインタラクションする状況をグランジャー因果を活用して解析した。 野外実験では、渡り鳥の内側外套にある神経細胞の活動と磁場との関連を調べるために、周辺磁場に介入するシステムを構築した。システムを分解することが可能にし、渡り鳥実験とサケ科魚類実験に活用する予定である。サケ科魚類の終脳から神経細胞活動を記録する実験を実施した。麻酔後の行動に乱れがあるため、手術方法の改善に取り組んだ。また、計画研究牧野と共同し、小型磁場介入装置の開発を模索した。更に、公募研究坂本と共同して、ウミガメの脳神経活動に関する研究について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス・ラットを対象とした室内実験では、ナビゲーション中のイベントを表現する海馬神経細胞活動に関する知見や新たな計測・介入装置の開発に取り組んだ。野生動物を対象とした野外実験を実施についても、渡り鳥、サケ科魚類に関する研究を実施する環境構築を着実に進展させることができた。更に、複数の計画研究との共同研究も進展しているため、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
マウス・ラットを対象とした室内実験と、野生動物を対象とした野外実験については、実験環境やシステムの構築が完成しつつあるため、研究成果を挙げることを目標とする。 具体的には、室内実験では、自動変形迷路内にモーショントラッキングと超音波非接触刺激装置を備えた環境介入装置を完成させ、活用することを計画している。更に、多個体インタラクションについても、海馬場所細胞の場所受容野の変化との関連性を精査する。 野外実験では、渡り鳥実験を開始し、データを蓄積する。サケ科魚類に関してもデータを蓄積し、論文報告を目指す。
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