研究領域 | ジオラマ環境で覚醒する原生知能を定式化する細胞行動力学 |
研究課題/領域番号 |
21H05306
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 謙次 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00553801)
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研究分担者 |
宮川 泰明 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60804599)
中村 修一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90580308)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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キーワード | 生体流動計測 / 濃密微生物懸濁液 / X線イメージング / in vivoジオラマ環境 |
研究実績の概要 |
本年度は、濃密微生物懸濁液の流動計測を実現するために、生体内微生物流動計測とシンクロトロン放射光による生体内流動の可視化計測および大規模GPU可視化データ解析の連携を図り、新規in vivoジオラマ環境の計測環境の構築を目指し、以下研究を推進してきた。 濃密に集積した細胞群の運動や局在分布を計測することにより高密懸濁液中における微生物流動メカニズムの解明を目指すため、可視化困難な濃密細胞懸濁液中の流動構造を可視化するX線マイクロCTを用いた時系列ボクセルデータの取得を行い、特に酵母発酵に伴う二酸化炭素気泡の運動とその周囲の流動構造を明らかにし、微生物由来による大規模流動構造の解析を行った(Atul, et al. Roy. Soc. Interface, 2021, Atul et al., Soft Matter, 2021))。さらに、濃密微生物懸濁液と微生物によって代謝が可能な粉体を混合した複合材内部における気泡形成と内部流動の可視化手法を構築し、可視化実験により得られたトモグラフィー画像の膨大なボクセルデータをGPGPUを用いた画像抽出法および解析法を拡張し、気泡と周囲流体の流動解析法を確立した。また、ゼブラフィッシュ腸内における腸内細菌のうち大腸菌を経口インジェクションし、その大腸菌の細胞分布や個体運動計測手法を共焦点系顕微鏡を用いた評価法を確立し、腸内における凝集濃度を模擬したマイクロ流路内をジオラマ環境とし、腸内における流動構造形成のメカニズム解明をin vivoおよびジオラマ環境の両側面より解析可能な実験系を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
可視化実験により得られたトモグラフィー画像の膨大なボクセルデータをGPGPUを用いた画像抽出法および解析法を拡張し、本年度に予定していた気泡と周囲流体の流動解析法を確立している。また、濃密微生物懸濁液(大腸菌)中の細胞分布や個体運動計測手法を共焦点系顕微鏡を用いた評価法を確立しており、in vivoおよびジオラマ環境の両側面より解析可能な実験系を確立を行った。 新型コロナウイルスの影響により、Spring8でのフィジビリティ研究が本年度は達成できなかったが、本学歯学研究科に共通仕様機器として設置されているマイクロX線CTを代用することで、基礎的な検討を実施してきた。X線による透過撮像には不可欠な観察対象へのX線暴露による生体影響や追従粒子のX線吸収率等の検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
濃密微生物懸濁液と微生物によって代謝が可能な粉体を混合した複合材内部における気泡形成と内部流動の可視化実験により得られたトモグラフィー画像の膨大なボクセルデータをGPGPUを用いた画像抽出法および解析法を拡張し、気泡と周囲流体の流動解析法を行う。また、ゼブラフィッシュ腸内における腸内細菌のうち大腸菌を経口インジェクションし、その大腸菌の細胞分布や個体運動計測手法を共焦点系顕微鏡を用いた評価法を活用し、腸内における流動構造形成の可視化を行う。また、腸内における凝集濃度を模擬したマイクロ流路内をジオラマ環境とし、in vivoおよびジオラマ環境の両側面より比較を進めることで濃密微生物懸濁液における流動構造形成のメカニズム解明に取り組む。
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