計画研究
高IgE症候群は、アトピー性皮膚炎・血清IgEの著しい高値に黄色ブドウ球菌による皮膚膿瘍と肺炎を合併する免疫不全症である。最近我々は、STAT3のドミナントネガティブ変異が高IgE症候群の主要な原因遺伝子異常であることを報告したが、その病態形成機構はまだほとんど明らかになっていない。そこで、今回STAT3の分子異常がどのようなメカニズムでアトピー性皮膚炎と高IgE血症を引き起こすかを検討した。高IgE症候群の樹状細胞ではIL-10のシグナル伝達が障害されており、樹状細胞上の抑制分子、PD-L1,PD-L2,ILT-3,ILT-4の発現が低下していることが明らかになった。そのため、誘導性の制御性T細胞(induced regulatory T cell;iTreg cell)の分化が低下しており、T細胞の増殖抑制、サイトカインの産生抑制が障害されていた。このiTreg細胞の誘導障害が、高IgE症候群に特徴的なアトピー性皮膚炎と高IgE血症の発症に関与している可能性が示唆された。
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