計画研究
最終年度である本年は、Amud 1、Gibraltar 1、La Chapelle-aux-Saints 1の3つネアンデルタール(旧人)頭蓋骨と、Qafzeh 9、Skhul 5、Mladec 1、Cro-Magnon1の4つの早期ホモ・サピエンス(新人)頭蓋骨の、最終的な工学的復元結果を完成させた。復元した頭蓋骨外形状とエンドキャスト上に、解剖学的特徴点、正中輪郭形状や稜線の等分点、スライディングランドマークを定義し、3次元幾何形態学的手法を用いて、復元した頭蓋骨を相互に、また現代人のそれと比較した。復元したネアンデルタール人頭蓋骨形状を、早期ホモ・サピエンスや現生人類の頭蓋骨形状を比較すると、ネアンデルタール人の頭蓋骨は、現生人類のそれより前後に長く後頭部が突出し、左右に狭く、上下に低い傾向が見られた。また、現生人類では、特に小脳と頭頂葉に対応する部位が相対的に大きい傾向があることが明らかとなった。近年、こうした両者の頭蓋骨の形態差は、出生直後の成長パターンの差に起因して生じていることが示唆されている。出生後の脳の成長パターンの違いが、両者の命運を分ける学習能力・行動の差につながった可能性が考えられる。また、C02班と共同で、化石脳の形態を頭蓋骨から復元する数理的手法を確立した。具体的には、現代人の頭蓋骨形態から復元した化石頭蓋骨形態への空間変形関数を、DARTELを用いて記述した。それを現代人脳形態に当てはめ同様の変換を行うことで、化石頭蓋骨に収まる脳形態を推定することを可能とした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (16件) 図書 (11件)
Anthropological Science
巻: 123 ページ: 57,68
10.1537/ase.141109
Frontiers in Neuroanatomy
巻: 8 ページ: 1,15
10.3389/fnana.2014.00019
Computer-Aided Design and Applications
巻: 11 ページ: 239, 243
10.1080/16864360.2014.846098