研究分担者 |
土谷 浩一 (独)物質・材料研究機構, ハイブリッド材料センター, グループリーダー (50236907)
飴山 惠 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
山崎 徹 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (30137252)
三浦 博巳 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (30219589)
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研究概要 |
本年度は、巨大ひずみプロセス、多軸鍛造プロセス、粉末加工プロセスをはじめ、ひずみが介入しない電解析出プロセスを用いてナノメタルの作製を試みるとともに、機械的特性を中心に評価した。 1.ナノ結晶粒化ができる場合とできない場合を30種類の純金属とともに、Al,Ti,NiからなるNi-50at%Al,Ti-50at%Al,Ni-25at%Al-25at%Ti合金にHPT (High-Pressure Torsion)で巨大ひずみ付与した。原子結合エネルギーが強いSiや3種類の金属間化合物で100nm以下のナノ結晶粒が形成されることを確認した。 2.さらに、TiNi,Ni_3Al,ZrCu等の金属間化合物にHPT加工し、非晶質化/ナノ結晶組織と混在した非平衡ナノメタルが創出できた。特にナノ結晶化したNi_3Alにおいてはその引張り特性が大幅に向上する事を明らかにした。またZr-Cu-Al系化合物においてHPT加工による非晶質相の生成とその結晶化挙動を明らかにした。 3.析出強化型Cu-Zn合金を極低温で多軸鍛造(MDF : Multi-directionalforging)加工し、低温型連続動的再結晶と変形双晶の両微細化機構の相乗効果によって、より高強度の超微細粒組織をより低い加工ひずみで得た。これは、高引張強度と高延性の機械的性質に優れた特性を有した。 4.金属粉末の超強加工によりナノ結晶とメゾ結晶(ミクロンサイズ結晶)の複合化バルクナノ材料(調和組織材料)を作製した。その結果、塑性変形の難易とナノ結晶化の難易に相関が見られることが明らかとなった。さらに、調和組織材料では高強度と高延性が両立すること、また良好な耐食性を有することを見いだした。 5.電解析出法によるナノバルクメタルの作製条件について検討した。Ni-W合金については、電析中に混入する酸素が機械的特性に大きく影響していることを明らかにし、電解液中の溶存酸素をArガスバブリング法により十分に低減させたところ、膜厚50mm程度まで安定した引張強度を有する材料の作製が可能となった。また、純NiおよびNi-Fe合金については、電析膜厚方向に結晶粒サイズおよび合金組成が変化することから、これら因子の均一化条件を検討した。
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