研究領域 | コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス |
研究課題/領域番号 |
22104003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 大介 筑波大学, システム情報系, 教授 (00292714)
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研究分担者 |
今村 俊幸 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (60361838)
多田野 寛人 筑波大学, システム情報系, 助教 (50507845)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大規模並列環境 / GPGPU / 高速フーリエ変換 / 3倍精度浮動小数点演算 / 固有値ソルバ / Block Krylovアルゴリズム |
研究実績の概要 |
平成24年度においては,大規模並列環境における数値計算アルゴリズムとして,高速フーリエ変換(FFT),GPUによる3倍・4倍精度浮動小数点演算,GPU環境下での固有値ソルバ開発と既存ソルバとの性能評価,そしてBlock Krylovアルゴリズムによる連立一次方程式の求解高速化について研究を行った。 高速フーリエ変換(FFT)の研究では,Intel AVX命令を用いてFFTカーネル部分の性能を向上させると共に,ブロック二次元FFTアルゴリズムを用いることで,データがキャッシュに収まらない場合にも高い性能を維持するFFTライブラリFFTEを実装した。GPUによる3倍・4倍精度浮動小数点演算の研究では,3倍精度数を倍精度数と単精度数に分けて格納するDouble+Single型3倍精度型(D+S型)およびD+S型3倍精度演算(D+S型演算)を提案し,GPUによる3倍精度のBLASルーチンを実装した。GPU環境下での固有値ソルバ開発と既存ソルバとの性能評価の研究では,行列ベクトル積SYMVに対して独自の実装方式であるatomicアルゴリズムとL+Uアルゴリズムを併用した実装方式を提案した。著名なGPGPU数値計算ソフトウェアであるMAGMAと比較して1.3から1.5倍の高速化を達成している。 Block Krylovアルゴリズムによる連立一次方程式の求解高速化についての研究では, Block BiCGGRRO法の正規直交化の回数を削減するアルゴリズムを構築し,同法の高速化を図った。 これらの研究成果は,次世代のスーパーコンピュータにおいて,実アプリケーションの高速化に貢献できることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的のうち,ペタスケール計算環境に向けた並列数値計算アルゴリズムが実現されており,提案する並列数値計算アルゴリズムの高速性が実証されているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題については,今後ペタスケールおよびエクサスケール計算環境に適したアルゴリズムおよび最適化手法についての知見を得ることを目指して引き続き推進していく予定である。
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