研究領域 | 直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発 |
研究課題/領域番号 |
22105012
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
城 宜嗣 独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 主任研究員 (70183051)
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研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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キーワード | 一酸化窒素還元酵素 / 亜酸化窒素 / 脱窒 / 呼吸酵素 / チトクロム酸化酵素 / 温室効果ガス / オゾン層破壊 |
研究概要 |
緑膿菌Pseudomonas aeruginosaの一酸化窒素還元酵素NOR(2NO + 2H+ + 2e- → N2O + H2O)の還元型、一酸化炭素結合型、アルドキシム結合型の結晶構造を論文として報告し、この酵素の反応場(ヘム鉄ー非ヘム鉄複核中心)の特徴を示した。このNORが、緑膿菌におけるNO産生酵素(亜硝酸還元酵素NiR:NO2- + 2H+ + e- → NO + H2O)と相互作用している事を示す実験結果を得た。その複合体の結晶化にも成功している。構造解析に成功すれば、2つの酵素間でNiR反応の生成物であるNOが、NOR反応の基質としてNORに受け渡される「連続反応場」が細胞内に存在する事を可視化できる。 大腸菌をホストとするNORの発現系を用いて、いくつかの組換え酵素(野生型と各種変異体)を調製し、反応場の構造機能制御を開始した。 また、病原菌(髄膜炎菌)が感染先のマクロファージが産生する抗菌ガスNOを無毒化する為に有しているNORの発現精製に成功し、高活性で高純度の酵素を得た。この酵素を用いて、プロトン輸送に関する実験を行い、我々が先にに提案した反応機構が正しい事を示した。結晶化も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構造機能解析は極めて順調に進んでいる。変異体の調製が可能となったので、個々の変異体の機能解析が出来るようになった。 林教授(阪大)との共同研究も順調に進み、論文として報告した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であるので、機能変換に集中して取り組む。また連続反応場に関する研究は、さらに「脱窒酵素」すべてに拡張されるかどうか、確かめたい。
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