計画研究
ホストを大腸菌から緑膿菌に代える事により、今まで成功していなかった、一酸化窒素還元酵素NORの発現系作成に成功した。NOR遺伝子をノックアウトした緑膿菌は、脱窒条件下(硝酸イオン存在、嫌気条件)では生育しなかった。これは、亜硝酸還元酵素が産生するNOが消去される事無く細胞内に拡散するためと考えられる。そこに、NORをコードしたプラスミドを導入すると、緑膿菌は生育できるようになった。この発現系からの野生型酵素の生成にも成功しており、この発現系により、金属配位子の変換や金属自身の変換が可能となった。さらに、このin vivo分析系を用いて、従来とは異なる酵素活性を有するNOR変異体のハイスループットスクリーニングが可能となった。NORによる、N-O結合開裂とN-N結合生成の反応機構を明らかにするために、NORの酵素反応中に現れる短寿命(ミリ秒)反応中間体の電子構造、配位構造を明らかにすることのできる、時分割赤外分光測定器を完成させた。この分光器に、ナノ秒のレーザーを組み合わせ、光照射でNOを発生させるcagedNOを用いて、NORの反応中間体を生成する事にも成功している。さらに、不可逆な酵素反応中に現れる反応中間体のスペクトル測定を可能とするために、微量の試料を用いてスペクトル積算が可能な試料系の作成にも成功し、テスト実験をおこなった。今後は、SACLAを用いて、この反応中間体の結晶構造解析を行う。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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