計画研究
平成26年度は大きく分けて以下の3項目を実施した。(1)分子制御による無機マテリアルの形態制御:水を溶媒とし、有機化合物を分子制御剤に用いた無機マテリアルの形態制御において、ピコリン酸を分子制御剤として利用することで、{331}などの高次数面が露出したルチル型酸化チタン多針体が生成することを見出した。加えて領域内共同研究により、分子動力学シミュレーションを用いた結晶成長制御機構の解明に取り組み、成長する結晶面近傍に存在する水分子の配列状況が制御剤として働く有機分子の影響を制御している様子を確認した。またマグネタイトの合成においてもピコリン酸を用いることで、{311}や{331}といった高次数面が露出した多結晶面露出マグネタイト粒子が作製可能であることを明らかにした。さらに領域内共同研究により、得られた多結晶面露出マグネタイト粒子が、スチレンのリビングカチオン重合反応において、市販のマグネタイト粒子よりも低比表面積であるにも関わらず高い触媒活性を示すことを見出している。(2)水を反応場とするチタン系融合マテリアルの創成:水を溶媒に用いたプロセスにおいて、ピラジンカルボン酸と水溶性チタン錯体から新規チタン化合物が生成することを見出した。得られた化合物には、加熱・徐冷操作による構造の変化を伴う水の吸脱着が観察され、この変化は可逆的であった。また領域内共同研究により、本化合物が水に対してゲート吸着のような特性を有していることを明らかにした。(3)鉱物に倣う新規光機能性材料の開発:鉱物資源をヒントに、新規蛍光体探索研究を実施した。その結果、ガノマル石(ganomalite)をヒントに、Ca2SiO4:Eu2+(赤色発光)を新規蛍光体として発見した。本蛍光体は酸化物では極めて珍しい青色励起により赤色発光を示す蛍光体であり、実用化に向けた展開を行っている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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