計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
目標とする「自然界に存在する様な有機/無機融合マテリアル」を得るため、有機材料として、一次構造や分子量が制御され界面でのセグメント配列やモルホロジー制御が可能な刺激応答性高分子の合成を検討した。1.自己修復・分解/刺激応答性を有する融合マテリアルの創製:種々の刺激に応答するポリマーを精密合成するため、カルボン酸、フェノール類などを有するモノマー、刺激応答性モノマーのリビング重合を検討した。例えば、水中でUCST型相分離するポリマーの界面状態での温度応答性を発現させるため、硬いポリマーとのブロックコポリマーを合成した。最適条件で得られたブロックコポリマーは自立性のフィルムになり、温度変化により高温で親水性、低温で疎水性を示す新しいスマートフィルムとなった。さらに、他の温度応答性ポリマーとの組み合わせにより、ある温度範囲でのみ疎水ないし親水性を示すフィルムなどを作成した。一方、数種の含Fブロックコポリマーや星型ポリマーも合成し、強い分子間相互作用により水中や有機溶媒中で特異的な凝集状態をとることも見出された。また、ベンズアルデヒド類をビニルエーテルと共重合することにより、分子量分布の狭い交互ポリマーが得られ、温和な酸加水分解により定量的にアルデヒドモノマーが生成することがわかった。その際、出発物質に天然由来のアルデヒドを用いても同様な交互共重合/加水分解が可能で、刺激により選択的分解する自然調和型構造材料となることが示された。2.酸化鉄を用いた新規重合触媒と磁場応答性ポリマーの創製:当領域内の他グループで創製した、鉄イオン結合タンパク質により作成した酸化鉄、疎水化ナノ酸化鉄粒子などを用いてビニルエーテル類のカチオン重合を検討した。また、低分子を内包した刺激応答性リポソームに疎水化ナノ酸化鉄粒子を導入し、交流磁場の印加による磁場応答性DDSとしての可能性が検討された。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
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http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/aoshima/index.html