計画研究
本研究では、分子制御された有機ポリマーを無機材料と組み合わせることにより、自己分解機能、高感度・高選択性、傾斜構造などを有する自然調和型融合マテリアルを得ることを目的とした。まず刺激応答性ポリマーの精密合成法を検討し、オキシランとの共重合系、メタルフリー型開始剤系などが見いだされた。またブロックや星型ポリマーの新規合成法として、モノマー選択重合を利用した重合法、アセタール、エーテル、ヒドロキシ基を有する安定なマクロ開始剤からのブロック共重合法が検討され、生分解性を有する温度応答性ポリ乳酸ブロックコポリマーも合成された。共役アルデヒドとビニルエーテルの制御カチオン共重合の展開として、本重合系がリビング的に進行しアセタール構造を形成することを利用して、ポリマーの特定位置に分解性ユニットを選択的に導入し設計通りにポリマーを切断する新手法、ブロックコポリマーや星型ポリマーに導入してゲルーゾル変化、内包物の放出する方法を見出した。一方、フィルム形成可能なポリスチレン類及び温度応答性セグメントを組み込んだブロックコポリマーを新たに精密合成し、高感度な応答パターンを示す温度応答性フィルムを創製した。界面機能設計において重要と考えられる、ポリマー表面構造の検討も行った。さらに無機材料との融合を検討し、磁性細菌由来や融合プロセスにより作製した酸化鉄を触媒とした新規リビングラジカル重合系を見いだした。酸化鉄の構造の違いにより重合挙動が異なり、最適な構造の酸化鉄を用いると活性が高く再使用可能なリビング重合系が見いだされた。また、生体系を超える進化型バイオミネラリゼーションの一例として、有機高分子材料を精密に設計して新しいツボ型中空シリカナノ微粒子の創製やシリカナノ微粒子の配列制御を達成した。本課題最終年度として、界面機能設計による融合マテリアル構築に関してこれまでの検討結果を総括した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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