サーモトロピックおよびリオトロピック液晶中において炭酸あるいはリン酸塩の結晶化を行い、液晶の配向秩序が結晶形態に与える影響について検討した。疎水性のサーモトロピック・ネマチック液晶では陽イオン輸送体としてカルシウムイオンを取り込んだ新規クラウンエーテル誘導体を用い二酸化炭素ガスを拡散させ結晶化を行ったところ、液晶相の構造の影響を受けたと思われる繊維状結晶が得られた。この繊維状結晶はラマン分光解析の結果、炭酸カルシウムのバテライトであると同定された。また、擬似体液を溶媒としたリオトロピック・ラメラ液晶において、側面に層構造を有する六角錐状の結晶の析出が見出された。
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