本研究では、環境に応じて様々な大きさや形状の網目構造を形成できる環境応答性有機高分子ゲルをテンプレートとして、無機物質からなる三次元階層構造の形成を制御することで、"環境に調和して分子配列構造の組み替えや自己補強をし、自然界ではなし得なかったような超越的機能を示す有機-無機動的融合機能材料"の創成を目的としている。具体的には、本融合機能材料の開発により、環境変化を反映して、力学的物性を自己組織的に補強する材料や、スーパーレンズなどの創成を目指すため、以下のようなテーマに取り組む。つまり、1)環境に応じて様々な大きさや形状の網目構造を形成できる環境応答性有機高分子ゲルをテンプレートとして、無機物質からなる三次元階層構造の形成を制御することで、"環境に調和して分子配列構造の組み替えや自己補強をし、自然界ではなし得なかったような超越的機能を示す有機-無機動的融合機能材料"の創成、2)環境に対して動的に応答する刺激応答性高分子と光に対する屈折率の高い無機物質からなるコアーシェル型微粒子の集合体の形成とその光学材料への応用、3)有機微粒子と無機微粒子をサブミクロンのオーダーで融合することによる光学材料の構築、である。本年度は、まず、2)と3)の研究から着手し、2)では、環境に応じて角度依存性のないフォトニックバンドギャップ(PBG)の位置を変化させる材料、3)では、視認性の高い構造発色材料の調製が実現できた。
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