研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
22108002
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 英秋 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00185175)
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研究分担者 |
南 篤志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (40507191)
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キーワード | ペプチド合成酵素 / 大腸菌 / 抗腫瘍性物質 / 化学酵素合成 / 生合成 |
研究概要 |
既に我々はサフラマイシンの生合成酵素SfmCが、チロシン誘導体と単純な鎖状アルデヒドから7段階の反応を触媒し、一挙に5環性のテトラヒドロイソキノリン骨格を合成することを見出した。そこでアルデヒド側基質の合成アナログとのSfmCによる酵素反応を検討し、様々な誘導体さらには臨床用抗ガン剤エクチナサイジン(ET)と同じものを調製するための第一歩として以下の検討を行った。今回、サフラマイシンと構造が近縁の放線菌Streptomyces griseoplanus SF-1739由来の複雑な6環性構造を有する抗腫瘍性物質シアノサイクリン、および放線菌Streptomyces melanovinaceusの生産する比較的単純な構造を有するキノカルシンの生合成遺伝子クラスターを同定すべく、ゲノムDNAを調製後、シーケンス解析を行った。次いで得られたデータのバイオインフォマティクス解析により、目的とするペプチド合成酵素候補を見出した。今回扱った二種の天然物に共通する窒素含有ヘテロ環を供給するアミノ酸を同定すべく、cya16の大量発現、酵素反応を行い、アルギニンが酸化された前駆体を得た。この実験結果を基にサフラマイシンの生合成酵素SfmCの反応機構を参照にして、シアノサイクリンの合理的な骨格構築機構を提唱した。さらにSfmCに関しては、アルデヒド側基質の合成アナログを用いた酵素反応を行い、基質アナログの受容能に関する知見を得た。
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