研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
22108008
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齊藤 和季 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00146705)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生合成 / 植物二次代謝 / メタボロミクス / 統合オミクス |
研究実績の概要 |
植物の持つ天然物生合成のゲノム基盤を、メタボロミクスを基盤とした統合オミクスによって解明する事を目的とする。特に、臨床的に用いられている抗がん成分カンプトテシンや血糖低下作用を有するキノリチジンアルカロイドなどのアルカロイド生産植物について、トランスクリプトームおよびメタボロームデータを、次世代シークエンサーおよび高性能質量分析計によって取得、解析する。次に、これらのオミクス統合データについて生合成に必須な遺伝子について生物情報学を駆使したゲノムマイニング手法によって推定する。さらに、組換えタンパク質での生化学的研究や、組換え植物細胞でのin vivo研究によって遺伝子機能を決定する。 当年度は、カンプトテシンを生産する毛状根細胞と生産しない懸濁細胞でのデープトランスクリプトーム解析の結果などから予想された転写因子について、高発現および発現抑制した植物細胞を用いたインビボ解析などからその機能を決定する研究を進めた。また、前年度に同定したルピナス属植物でのキノリチジンアルカロイド生合成の初発段階に関わる新規なリシン脱炭酸酵素遺伝子について、その詳細な進化学的解析を進めた。さらに他の植物種における相同遺伝子を取得しこれらのアルカロイド生合成における役割を推定した。フラボノイド生合成、含硫黄代謝産物生合成遺伝子についてもほぼ同様の手法で遺伝子のマイニングと機能解析を進めた。特に、特異的な生理活性を有する含硫黄二次代謝産物の新規酸化酵素遺伝子について、その有力なクローンを同定することができた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄に記載の通り、研究は概ね計画通りに進み、その成果を「研究発表」欄に記載の通りいくつかの論文にして発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画との大きな変更はない。 統合オミクスデータの多変量解析やネットワーク解析によって当該アルカロイド生産における仮想生合成経路―生合成中間体―生合成遺伝子の対応ネットワークを解明する。特に、米国NIHコンソーシアムやカナダゲノムコンソーシアム、欧州FP7コンソーシアムから公表され配列データのメタ解析も組み合わせて、マイニングを精密化する。 予測した遺伝子のin vivoでの機能を証明するために、当該遺伝子の発現細胞の解析によって予想カンプトテシン生合成のどこの段階がブロックされているかを決定する。新規生合成酵素については組換えタンパク質を用いた逆生物有機化学的な手法によってその反応の精密な解析を行う。キノリチジンアルカロイド生合成についても同様に遺伝子の機能証明を行う。さらに生合成遺伝子セットを、シロイヌナズナ、チャボイナモリ、タバコなどの植物細胞および酵母などで発現する。これによりアルカロイド生合成システムの分子的精密解析や合理的な生合成エンジニアリング目指す。
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