研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
22108010
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
石川 淳 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 室長 (40202957)
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研究分担者 |
星野 泰隆 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 主任研究官 (40399457)
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キーワード | ゲノム / データベース / 二次代謝産物 / 抗生物質 / 生合成 / 次世代シークエンサー |
研究概要 |
抗生物質や抗ガン剤などの生物活性物質(二次代謝産物)の生産者である放線菌において、現在我々が認知できている二次代謝産物は、放線菌の生産能力のうちの1割ほどでしかないことがゲノム解析により明らかにされた。しかしながら、残りの9割にアプローチし、利用するための情報は未だ不十分であるため、本研究は、既存の情報を整理し、生合成マシナリーの解明とそれを応用した新たなマシナリーのデザインのためのデータベースを構築することを目的とする。 公共データベースに登録されている放線菌ゲノム配列のうち、二次代謝産物生合成遺伝子がよくアノテーションされているS. coelicolor A3(2)、S. avermitilisおよびS. griseusに関して、すべてのタンパク質のPfamドメインのうち、二次代謝産物生合成だけに関わっているもの、あるいは二次代謝産物生合成に頻繁に見出されるものを抽出した。これらのドメインを他の放線菌ゲノム配列中に検索した結果、二次代謝産物生合成遺伝子を効率よく見いだせることが明らかになったため、ドラフトゲノム配列を含む放線菌ゲノム配列から二次代謝産物生合成遺伝子を見出すウェブツールを作成した。 生合成マシナリーの班員その他から依頼を受け、次世代シークエンサーを用いて6株の放線菌のドラフトゲノムシークエンシングを行い、それらの株が生産する二次代謝産物の生合成遺伝子の発見に寄与することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた規模のデータベースの構築はやや遅れているが、データを活用したウェブツールの開発を行ったことと、ゲノムシークエンス支援の実績を勘案すると、全体としては順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
データベースの構築を継続しつつ、二次代謝産物生合成遺伝子発見のためのツール開発にも重点を置く。現状ではアミノグリコシド系抗生物質生合成遺伝子の検出の特異性が低いため、これの改善に努める。
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