計画研究
抗生物質や抗ガン剤などの生物活性物質(二次代謝産物)の生産者である放線菌で、現在我々が認知できている二次代謝産物は、放線菌の生産能力のうちの1割ほどでしかないことがゲノム解析により明らかにされた。しかしながら、残りの9割にアプローチし、利用するための情報は未だ不十分であるため、既存の情報を整理し、生合成マシナリーの解明とそれを応用した新たなマシナリーのデザインのためのデータベースを構築することを目的とする。公共データベースに登録されている放線菌ゲノム配列のうち、二次代謝産物生合成遺伝子がよくアノテーションされているStreptomyces coelicolor A3(2)、S. avermitilis、S. griseusおよびSaccharopolyspora erythraeaのすべてのタンパク質に見出されるPfamドメインのうち、二次代謝産物生合成だけに関わっているもの、あるいは頻繁に見出されるものを抽出したサブセットを作成した。これらのドメインを他の放線菌ゲノム配列中に検索した結果、二次代謝産物生合成遺伝子を効率よく見出せることが明らかになったため、ドラフトゲノム配列を含む放線菌ゲノム配列から二次代謝産物生合成遺伝子を見出すウェブツール「2ndFind」を作成した。今年度は予測された遺伝子から任意に選んだ遺伝子のマップをSVG形式(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)で描画する機能を追加した。また、2014年度は13,327回の利用があった(前年度比1.8倍)。一方、他の班員から依頼を受け、次世代シークエンサーを用いて3株の放線菌のde novoシークエンスを行うとともに、2株の真菌のドラフトゲノム解析を行い、それらの株が生産する二次代謝産物の生合成の解明に寄与した。また、これまでの5年間にシークエンスした14株のリード配列をDRAに登録し、公開した(一部は2年後の公開)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
Read data were deposited under the acc. nos: DRA003076, DRA003105, DRA003117, DRA003131-DRA003135, DRA003162-DRA003168, DRA003170-DRA003172, DRA003176, DRA003177, DRA003183, DRA003184.
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) 備考 (1件)
Nature Chemical Biology
巻: 11 ページ: 71-76
10.1038/nchembio.1697
Angewandte Chemie
巻: 54 ページ: 5748-5752
10.1002/anie.201501072
Journal of American Chemical Society
巻: 136 ページ: 9910-9913
10.1021/ja505224r
Genome Announcement
巻: 2 ページ: e01026-14
10.1128/genomeA.01026-14
http://biosyn.nih.go.jp/2ndFind/