研究領域 | 電磁メタマテリアル |
研究課題/領域番号 |
22109007
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
迫田 和彰 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端フォトニクス材料ユニット, ユニット長 (90250513)
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研究分担者 |
田丸 博晴 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30292767)
岡本 敏弘 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (60274263)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メタマテリアル / プラズモン / 共振器 / メタ表面 / 磁気双極子遷移 / 強束縛近似 / ディラックコーン / 近赤外分光 |
研究実績の概要 |
(1) 光波領域のメタ表面創製技術の開発:昨年度までに,薄膜成長と電子線リソグラフィを用いて,高アスペクト比MIM共振器アレイによる反射型光波領域メタ表面の作製技術を開発した。本年度は,将来の大面積・量産技術の開発を目指して,ナノインプリント法による試料作製の検討を開始した。 (2) メタ表面解析技術の開発と試料設計:昨年度までに,C4v対称な正方格子メタマテリアルとOh対称な単純立方格子メタマテリアルでそれぞれ,2次元および3次元ディラックコーン(等方的で直線的な分散曲線)が生成すること,および,C6v対称な3角格子メタマテリアルでは2重ディラックコーンが生成することを強束縛近似による解析計算で示した。本年度はこの計算をさらに進めて,kp摂動法と群論を組合せた縮退摂動論を開発して,メタマテリアルとフォトニック結晶におけるディラックコーンの生成条件を完全に解明した。また,2次元スラブ型メタマテリアルのディラック点では,電磁波の進行方向が入射光の偏光で制御できる可能性を見出した。これらの新奇現象の光波領域での実証を目指して,試料設計を行った。 (3) 磁気双極子遷移の増強効果:昨年度までに作製したEr3+イオンをスパッタリングにより埋め込んだMIM共振器について,局所磁場増強による磁気双極子遷移発光スペクトルの形状変化が予測通りに観測された。また,磁気パーセル効果による蛍光寿命の減少も観測された。電磁場解析によるモード体積の評価と反射スペクトルから求めた共振器のQ値を用いて,パーセル因子の理論解析を開始した。 (4) 非線形光学効果の増強:MIM共振器による第2高調波発生の増強効果の実証実験を開始した。また,同種の共振器効果が期待される,銀分割リング構造を微小球リソグラフィ法で作製して共振波長を実測し,LC共振理論による計算値と良い一致が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初に計画した研究項目がすべて順調に進展したことに加えて,ディラックコーンの生成条件を完全に解明し,具体的な試料設計指針が得られた。また,当初計画には無かった微小球リソグラフィ法による試料作製が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進展しており,当初計画の変更の必要は無い。他方,当初計画には無かったディラックコーンの生成条件の解明を具体的な実験研究につなげるよう,試料設計と検証実験も実施する予定である。
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