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2014 年度 実績報告書

シナプスを標的とするアルツハイマー病の病態解明と治療

計画研究

研究領域シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成
研究課題/領域番号 22110003
研究機関東京大学

研究代表者

岩坪 威  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50223409)

研究分担者 若林 朋子  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20530330)
橋本 唯史  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30334337)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワードアルツハイマー病 / アミロイド / 神経活動
研究実績の概要

本研究では、これまでにstabilized step function opsin (SSFO)を利用した光遺伝学による慢性刺激実験を行い、ADモデルマウスであるAPP tg (A7系統)マウス脳貫通線維路の起始部である外側嗅内皮質にSSFOを導入後5ヶ月間光刺激したところ、その投射先の海馬歯状回におけるamyloid β peptide (Aβ)蓄積が有意に上昇することを見出した。そこで神経細胞の慢性的な活動亢進が、脳内Aβ代謝のどの過程に影響を与えているか検討するため、外側嗅内皮質にSSFOを導入したAPP tgマウスの嗅内皮質を3ヶ月間光刺激し、in vivoマイクロダイアリシス法を用いて海馬間質液を経時的に回収し、そのAβ42濃度を計測した。その結果、光刺激後Aβ42が8時間持続的に最大約40%上昇することが分かった。このような上昇はEYFPを導入したマウスでは認められなかったことから、神経細胞の慢性的な活動亢進が軸索終末からのAβ放出を促進することが実証された。
Aβは前駆体蛋白質APPからβ-secretase, γ-secretaseによる段階切断を受け細胞外に放出される断片である。慢性的な神経活動の亢進がAβ産生を促すか検討するため、APPのβ-secretaseによる切断産物であるsAPPβ量を海馬間質液中で測定し、Aβ産生の程度を評価した。その結果慢性的な光刺激により海馬間質液中のsAPPβ量に変化は認められなかった。これらの結果から、慢性的な神経活動の亢進が、Aβ産生ではなく、軸索終末からのAβ放出を促し、Aβ蓄積病理を促進することを明らかにした (Yamamoto K, et al., Cell Reports, 2015, in press)。
さらにin vivoマイクロダイアリシス法を用い18ヶ月齢のAPP tgマウス脳海馬のAβ蓄積レベルと海馬間質液中Aβ42濃度について検討したところ、両者に負の相関関係があることがわかり、Aβ蓄積は海馬間質液中のAβを引き抜く作用がある可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Chronic optogenetic activation augments Aβ pathology in a mouse model of Alzheimer disease2015

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Yamamoto, Zen-ichi Tanei, Tadafumi Hashimoto, Tomoko Wakabayashi, Hiroyuki Okuno, Yasushi Naka, Ofer Yizhar, Lief E. Fenno, Masashi Fukayama, Haruhiko Bito, John R. Cirrito, David M. Holtzman, Karl Deisseroth, Takeshi Iwatsubo
    • 雑誌名

      Cell reports

      巻: 11 ページ: 未定

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2015.04.017

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Molecular pathology and translational approaches on Alzheimer’s disease.2015

    • 著者名/発表者名
      Iwatsubo T
    • 学会等名
      The 12th International conference on Alzheimer’s & Parkinson’s diseases.
    • 発表場所
      Nice, France
    • 年月日
      2015-03-19
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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