計画研究
本研究ではポリグルタミン凝集体結合タンパク質の機能解析などを推し進め以下の点を明らかにした。1)ハンチントン病の封入体結合タンパク質として我々が報告したp62のS403のリン酸化によって選択的オートファジーが促進されること、またこれによって異常ハンチンチンの分解が促進されることを示した(Mol Cell 2011)。2)ところがin vivoでp62をノックアウトした状態では意外なことにモデルマウスの寿命の延長をもたらすことを見出した。この原因は異常伸長ポリグルタミンの細胞質での分解抑制が細胞質における蓄積を促進し、核への移行が減少し核内封入体が減少したためであることを示した(Hum Mol Genet 2014)。3)NF-YAは我々がポリグルタミン封入体結合タンパク質として報告した転写因子であるが、その機能をノックアウトマウスを用いて検討した。大脳皮質でノックアウトするとユビキチン、p62の蓄積、小胞体、核膜異常という特異的な病理像を呈した(Nat Commun2014)。ところが運動神経に特異的にノックアウトするとユビキチン、p62の蓄積がないが、小胞体、核膜異常を来すことから、神経細胞の種類に応じて病変の特異性が見られることを見出した。4)我々がハンチントン病の線条体において発現低下していることを見出したsodium channel beta4 subunit(β4)についてノックアウトマウスを用いて解析を進め、β4がin vivoで中型有棘細胞(MSN)のresurgent currentを制御していることを示した。さらにその分布からMSNの投射線維が無髄線維であることを示した(Nat Commun 2014)。これらの事実は線条体において従来認識されていなかった解剖学的生理学的事実であり、病変特異性に関与する可能性がある。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)
Hum Mol Genet.
巻: 24 ページ: 740-56
10.1093/hmg/ddu492.
巻: 24 ページ: 1092-105
10.1093/hmg/ddu522.
PLoS One.
巻: 9 ページ: e93891
10.1371/journal.pone.0093891.
Nat Commun.
巻: 5 ページ: 5525
10.1038/ncomms6525.
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/news13.pdf
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/news06.pdf