計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
神経変性疾患は、ある特定のニューロサーキット(神経回路)が選択的脆弱性を有し、変性することによって生じる難治性疾患である。神経変性疾患の病因病理は神経細胞機能障害、構造異常タンパク質蓄積、神経細胞死、非神経系細胞による神経変性加速により成立する。本計画では、人工多能性幹細胞(indnced pluripotent stem cell : iPS細胞)作製技術を応用して、それらの過程のうち、最も初期の変化である神経細胞機能障害を再現する神経変性疾患モデルの開発を行う。本年度は、シナプス小胞から細胞外への放出活動の蛍光イメージングコンストラクトを作製し、PC12細胞株において、シナプス機能のイメージングを行った。また、イメージングコンストラクトのレンチウイルスを用いたヒト神経細胞への導入システムの構築を行った。さらに、ヒトiPS細胞由来神経細胞の電気生理学的解析を行い、神経機能の解析を行った。シナプス機能を得るために、分化誘導後に得た神経細胞は長期培養を要するが、iPS細胞から分化誘導した神経細胞のみでは、長期培養できない場合には、iPS細胞から分化誘導した神経細胞とマウス由来グリア細胞等との共培養系の確立を行う。今後は、ヒトiPS細胞から分化誘導した神経系細胞が存在する培養条件を検討する。最終的に、神経変性疾患における特定の神経回路の選択的脆弱性の解明、正常・疾患比較および、疾患罹患神経系・非罹患神経系細胞比較により、神経変性疾患における神経細胞機能障害・回路異常病理の解明を行う。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (22件) 備考 (2件)
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