1.生殖巣リーダー細胞DTCの細胞骨格の詳細な挙動解析: Moesin(ABD)-EGFPおよびVAB-10(MTBD)-Venusを発現するトランスジェニック株を用いて、DTCのアクチンおよび微小管の挙動を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析した。アクチン繊維は細胞表層に沿ったネットワークが見られ、z-slice画像を3次元で再構築すると、DTCは背側に移動する際に表皮と消化管の間に大きな葉状仮足を伸ばしていることが分かった。移動過程でのDTCの形態変化を初めて明かにした。抗VAB-10抗体はDTCの微小管全体を染色したが、VAB-10(MTBD)-VenusはDTCの後端の微小管に強く局在し、微小管のマーカーとしてはあまり適切ではないと思われる。 2.基底膜の制御に関わるADAMTSプロテアーゼGON-1の解析: GON-1分子のC-末端のGONドメインに対するポリクローナル抗体を作成した。免疫組織染色ではシグナルを検出できなかったが、IPウエスタンでは期待される250kDaの位置にバンドが検出された。 goη-1変異体は生殖巣形成不全のため不妊となる。gon-1変異体に野生型gon-1遺伝子を染色体外アレイとして導入すると、生殖巣形成不全がレスキューされ、ホモで増殖可能となる。このようなトランスジェニック株を変異原EMSで処理することにより、染色体外アレイが脱落してもホモで増殖可能となった抑圧変異体16株を分離した。これらのうち4株は強い抑圧変異であり、今後これらを中心に解析を進めて行きたい。
|