計画研究
1.生殖巣リーダー細胞DTCの細胞骨格の挙動解析:UNC-5::GFPはDTC内で小胞状に存在し、特に核膜周辺に強く局在する。kinesin-1のRNAiではUNC-5::GFPは核膜周辺から消失し、細胞表層に蓄積するようになる。そこでC. elegansに存在する18種類の全てのkinesin遺伝子についてkinesin-1との二重RNAi解析を行った。その結果、kinesin-3 familyに属するklp-4のRNAiを行うと、UNC-5::GFPの局在が核膜の周辺に回復することが分かった。klp-4単独のRNAiではUNC-5::GFPの局在に変化はなかった。また、mCherry タグを用いた解析から、kinesin-1とkinesin-3はどちらもUNC-5::GFPと共局在することが分かった。これらの結果は、kinesin-1とkinesin-3が共同してUNC-5を核膜周辺から細胞表層へ輸送していることを示唆する。2.DTC移動の停止を制御するmig-39遺伝子の解析:生殖巣リーダー細胞DTCは1齢幼虫期に腹側体壁筋上に形成される生殖巣原基の前後両端に生じ、成虫期までにU字型の移動をすることにより、生殖巣の形態形成をリードする。DTCは成虫期に背側体壁筋の中央付近で移動を停止する。我々はDTCの移動停止機構を明らかにするために、移動停止異常変異体mig-39の分離を行った。本変異体の遺伝的マッピングとクローニングの結果、MIG-39タンパク質はBED finger domainをもつDNA結合タンパク質であることが分かった。MIG-39はDTCで細胞自律的に機能し、DTCの適切な減速に必要であることを示した。BED fingerタンパク質は転写やDNAの複製に働くとの報告があるが、細胞移動停止への関与は最初の発見である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
総括班、広報担当として、領域HPの管理・更新を行い、情報発信を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
Developmental Biology
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http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~nishiwaki/