計画研究
「神経前駆細胞の動と静を制御する場と集団の原理」は,新学術領域「動く細胞とクロストークによる秩序の生成」の項目A03「組織から器官へ」に属し,1.脳・脊髄・網膜の基礎となる三次元構造「神経上皮」が,誕生からの「時齢」や,細胞周期進行度合い,また分化度などさまざまな点で異なる多様な細胞群をいかに共存させる事で組織単位を成立させているか,2.神経上皮中において,ヘテロな細胞たちの動きがいかに組み合わされ,細胞間の空間的関係性がどのように変化していくのか,3.細胞の動きに裏打ちされた「関係性の変化・ゆらぎ」が集団としての三次元構造および細胞産生力の維持・変化にどう貢献するのかを明らかにすることを目指して計画された.H26年度中に実施した解析の結果と国内外での知見とを考慮して,当初の予想を超える複雑な原理が浮き彫りになりつつあったため,H27年度に予算を繰り越して,追加の実験,解析を行なうこととなった.その結果,初めて,単離細胞または細胞集団に対して加圧を行なう実験系を確立することに成功した.前年度に達成し得た除圧の実験結果(日本発生生物学会,日本神経科学会でH27年度前半に発表)と相補的に対応する結果が得られたので,定量生物学の会,日本解剖学会など,年度後半の学術集会やその他の招待セミナー等で発表し,大きな反響を得た.その学会発表で国際的な専門家から得た助言を盛り込み,最後の詰めの実験を実施中であり,現在,論文投稿目前である.一方,関連する大脳皮質発生に関係する共同研究成果がNature Communicationにより受理された.また,上皮細胞動態に関する共同研究成果が Journal of Cell Biologyに出版された.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
in press
Journal of Cell Biology
巻: 212 ページ: 561-575
10.1083/jcb.201509020
Cerebellum
巻: online ページ: online
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Development Growth and Differentiation
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Neuroscience Research
巻: 83 ページ: 25-32
10.1016/k.neures
Neurophotonics
巻: 1(1) ページ: 011002
10.1117/1.Nph.1.1.011002