がん組織におけるがん細胞の悪性化の誘導について、血管内皮細胞と筋線維芽細胞とがん幹細胞の細胞間相互作用に関する解析を行った。その結果、血管内皮細胞の周囲に筋線維芽細胞の豊富に存在する組織に存在するがん幹細胞ほど、抗がん剤抵抗性を示すことが判明した。この分子機序を解析する為に、筋線維芽細胞を株化して、低酸素、低栄養状態で発現が亢進する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、低酸素で発現の亢進するCD44は周囲のがん幹細胞の幹細胞性を維持するとともに、抗がん剤抵抗性をがん幹細胞に誘導していることが判明した。また、アペリンによる血管成熟化は腫瘍の低酸素を軽減し、腫瘍の悪性化を抑制することを解明した。
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