計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
VASHの作用メカニズムに関して、VASH1が広い作用スペクトルムで血管新生を抑制するメカニズムとして、VASH1が内皮細胞のαチューブリシを脱チロシン化すること、それによってVEGF受容体を含む細胞膜蛋白の細胞内移動が停止し、そのために受容体からのシグナリングが抑制されることを観察した。また、VASH1には内皮細胞の生存促進因子としての機能があり、VEGFシグナル遮断による内皮細胞の障害と細胞死を防止することを確認した。VASH-1とVASH-2の構造活性相関に関して、VASH1、VASH2ともにN末側、C末側がdisorder構造、中央部分がorder構造をとり、しかもorder部分のN端側に蛋白-蛋白interaction、C端側にループ構造を予想させる配列が予測された。VASH1についてはモノクローナル抗体を作成する過程で中和活性を持つ抗体の樹立に成功している。そこでVASH1とVASH2の構造の類似性からVASH2の活性部位を予測し、その部位を変異させることでVASH2の血管新生促進作用が消失することを確認し、活性部位の同定に目処がついた。VASH1とVASH2の遺伝子発現調節に関して、内皮細胞のVASH1遺伝子発現調節については転写因子GATA-2が重要であることを明らかにした。一方、VASH2はがん細胞に発現しており、がん細胞におけるVASH2の遺伝子発現調節にはmicroRNAが重要と考えられた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件)
Cancer Sci.
巻: 102 ページ: 446-451
巻: (in press)
巻: 101 ページ: 1051-1058
J.Cell Sci.
巻: 123 ページ: 3094-3101