計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
悪性化の過程で、がん微小環境が重要な役割を果たしている事が、最近の研究で明らかにされつつあるが、治療に繋がる成果は未だに報告されていない。これまで、世界中の多くの研究者が、がんの発生や増殖にかかわる多くの分子を標的として治療薬開発を行い、いくつかの分子標的薬はがん治療に大きな貢献をしている。しかしそれらの効果は、特定のがんに限られており、また、薬剤耐性の問題は解消されていない。腫瘍内「低酸素環境」は、がん種や組織を問わず腫瘍に共通して存在するため、「低酸素環境」を標的とした抗がん剤は、多くのがんで適応可能であると期待される。また、厳しい低酸素環境に、がん細胞が適応する過程で起こっている様々な変化(pH制御、代謝、腫瘍増殖、転移・浸潤、薬剤耐性、血管新生、アポトーシス回避)に深く関わる因子を同定し、解析する事で、がんの悪性化に対応したセンサー型ドラッグをデザインする上で有用な情報が得られると考えられる。このような仮定のもとに、低酸素環境特異的抗がん剤の開発を行う事を目的として、昨年度は、低酸素環境に応答して発現が変化する因子をRNAマイクロアレイの解析結果を元に絞り込みを行った。がん細胞を用いて、それらの因子の低酸素に対する応答を転写レベルで解析するとともに、機能が分かっている物に関しては、センサーとして機能するペプチドのデザインに取りかかった。また、センサー型ドラッグには、標的因子に特異的に結合する事が必須な場合も想定して、並行してそれらの因子に特異的に結合するペプチドをスクリーニング系を構築して、センサー型ドラッグの特異性を決定する部位の開発準備も開始した。
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