研究領域 | 細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング |
研究課題/領域番号 |
22113002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
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研究分担者 |
大場 雄介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30333503)
清川 悦子 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80300929)
平塚 拓也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90641639)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がん / 二光子イメージング / FRETイメージング / 蛍光タンパク質 / バイオセンサー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence resonance energy transfer, FRET)の原理に基づくバイオセンサーが生命の理解にきわめて有用であることを示すことである。具体的には、より生体に近い三次元環境での細胞内情報伝達のメカニズムをFRETバイオセンサーを使って明らかにする。三次元培養下で上皮細胞のがん化課程をFRETバイオセンサーで可視化し、ex vivoあるいはin vivoでのFRETイメージングを、二光子励起顕微鏡を用いて行う。平成25年までに、二光子励起顕微鏡での使用に耐える高感度FRETバイオセンサーの開発を行い、これを使って様々な知見を得た.ERKマップキナーゼ(細胞外シグナル調節キナーゼともいう)というリン酸化酵素の活性をライブで観察できるマウスを開発し、このマウスの皮膚を二光子顕微鏡で観察することで、細胞増殖シグナルがどのように伝搬されるのかを解析した。その結果、細胞増殖シグナルは、少数の細胞から周囲の細胞へ花火のように伝搬されることを世界で初めて発見し、この現象をスプレッドと命名しました。スプレッドは正常の皮膚組織ではほとんど観察されない。しかし、皮膚の過形成を誘導するような薬剤(tumor promoter, TPA)を塗付した皮膚、あるいは傷の修復過程にある皮膚では、スプレッドが高頻度に観察された。さらに、このスプレッドという現象は、表皮上に存在する上皮細胞増殖因子がERKマップキナーゼの活性化により切断されて隣の細胞の上皮細胞増殖委員氏受容体を活性化し、その細胞の中でまたERKマップキナーゼが活性化されるという連鎖反応により誘導されていることを見出した。この結果は、これまでの培養細胞を用いた研究の常識を覆す発見であり、表皮過形成を特徴とする疾患の病態解明と治療法の開発に新たな道を開くものと期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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