本研究の目的は、蛍光実体顕微鏡をベースに、マウスの全体像から細胞レベルまでの観察を高空間分解能で可能な新規intravital(生体)蛍光観察システムを開発することである。さらに、細胞周期を可視化するFucciシステムを駆使して、生体内で冬眠状態にあるがん幹細胞を同定し、がん幹細胞マーカーをスクリーニングすることも試み、一方でがん細胞内部のシグナル伝達を可視化するバイオセンサーや微小環境を可視化する各種蛍光プローブを開発し、がん幹細胞とがん微小環境の相互作用を時空間的に可視化し、その分子メカニズムを明らかにすることを行う。本年度は、蛍光実体顕微鏡AZ100をベースに、光源から検出系までを改良し、広い倍率を高空間分解能で可能な新規生体蛍光観察システムの設計を行った。さらに、細胞周期を可視化するFucciを導入したがん細胞株を数種類作製した。一方、プローブについてはTGF-βシグナルを可視化するプロモーターレポーター蛍光遺伝子の設計を行い、カテプシンKを含めた数種類のプロテアーゼ活性検出プローブの検討を行った。カテプシンKプローブについてはS/Nが悪く、in vivoでの使用が困難であることが判った。イメージングTgマウスについては、数種類のデザインを行うとともに、SCAT3.1アポトーシスイメージングTgマウスを入手し、掛け合わせを始めた、
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