研究領域 | 細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング |
研究課題/領域番号 |
22113004
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
今村 健志 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264421)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオテクノロジー / シグナル伝達 / 遺伝子 / 生体分子 / 細胞・組織 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、蛍光実体顕微鏡をベースに、マウスが生きている状態で、その全体像から細胞レベルまでの観察を高空間分解能で可能な新規intravital(生体)蛍光観察システムを開発することである。さらに、細胞周期を可視化するFucciシステムを駆使して、生体内で冬眠状態にあるがん幹細胞を同定し、がん幹細胞マーカーをスクリーニングすることを試み、一方でがん細胞内部のシグナル伝達を可視化するバイオセンサーや微小環境を可視化する各種蛍光プローブを開発し、がん幹細胞とがん微小環境の相互作用を時空間的に可視化し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的に研究を推進する。 本年度は、昨年度に引き続き、蛍光ズーム顕微鏡AZ100をベースに改良した新規生体蛍光観察システムと共焦点レーザー顕微鏡を用いて生体サンプルの画像を取得し、同一部位で得られた画像を比較検討した。一方、細胞周期を可視化するFucciを導入したがん細胞株を新たに数種類作製し、得られた細胞株を用いて、in vitroとin vivoで細胞の機能解析をおこなった。特にin vivoでは細胞動態の解析も合わせておこなった。イメージングTgマウスについては、昨年検討した細胞核で緑色蛍光タンパク質GFPが発現するマウスに加え、赤色蛍光タンパク質mCherryが発現するマウスで基礎データを取得した。アポトーシスイメージングTgマウスに関しては、全身でSCAT3.1を発現するマウスの掛け合わせの準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規生体蛍光観察システムの開発の基礎実験は終了し、各種バイオセンサーおよび蛍光分子プローブの開発とインビボイメージングは確立した。イメージングTgマウスについては、基礎データを取得できた。
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今後の研究の推進方策 |
設計が終了したマウス全体から細胞レベルまでズームアップで観察できる新規生体蛍光観察システムを実際に構築し、骨髄中のFucci発現がん細胞の細胞周期を長期観察する系を確立する。さらに、細胞増殖が遅い細胞を同定し、その機能解析をおこなう。
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