研究領域 | 細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング |
研究課題/領域番号 |
22113004
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
今村 健志 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264421)
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研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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キーワード | バイオテクノロジー / シグナル伝達 / 遺伝子 / 生体分子 / 細胞・組織 |
研究概要 |
本研究課題では、蛍光実体顕微鏡をベースに、マウスが生きている状態で、その全体像から細胞レベルまでの観察を高空間分解能で可能な新規intravital(生体)蛍光観察システムを開発することである。さらに、細胞周期を可視化するFucciシステムを駆使して、生体内で冬眠状態にあるがん幹細胞を同定し、がん幹細胞マーカーをスクリーニングすることを試み、一方でがん細胞内部のシグナル伝達を可視化するバイオセンサーや微小環境を可視化する各種蛍光プローブを開発し、がん幹細胞とがん微小環境の相互作用を時空間的に可視化し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的に研究を推進する。 本年度は、昨年度に設計が終了したマウス全体から細胞レベルまでズームアップで観察できる新規生体蛍光観察システムを実際に構築した。具体的には、蛍光ズーム顕微鏡AZ100に直接共焦点レーザー顕微鏡A1のヘッドを装着し、光学系を最適化した。まず、はじめに、ヌードマウスの皮下にヒトがん細胞を移植したがんモデルのがん組織において、リアルタイムでマクロからミクロへの画像変換を試みた。その結果、がん組織内の血管の流れがわかる状態で、10倍以上のズームをスムースにかけることが出来た。一方、細胞周期を可視化するFucciを導入したがん細胞株については、昨年度作製した新たに数種類の細胞株を用いて、引き続きin vitroとin vivoで機能解析をおこなった。イメージングTgマウスについては、昨年検討した赤色蛍光タンパク質mCherryが発現するマウスに加え、より明るいtdTomatoが発現するマウスを準備し、基礎実験を開始した。アポトーシスイメージングTgマウスに関しては、全身でSCAT3.1を発現するマウスの準備が終わった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規生体蛍光観察システムを構築し、皮下移植がんモデルで実際にリアルタイムのマクロからミクロへの画像変換に成功した。各種バイオセンサーおよび蛍光分子プローブの開発は終了し、インビボイメージング系は確立した。イメージングTgマウスについては、基礎実験が終了し、マウスを準備できた。
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今後の研究の推進方策 |
構築したマウス全体から細胞レベルまでズームアップで観察できる新規生体蛍光観察システムを使って、実際に、骨髄中のFucci発現がん細胞の細胞周期を長期観察する系を確立し、細胞増殖が遅い細胞を同定し、その機能解析をおこなう。
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