計画研究
本研究課題では、蛍光実体顕微鏡をベースに、マウスが生きている状態で、その全体像から細胞レベルまでの観察を高空間分解能で可能な新規intravital(生体)蛍光観察システムを開発することである。さらに、細胞周期を可視化するFucciシステムを駆使して、生体内で冬眠状態にあるがん幹細胞を同定し、がん幹細胞マーカーをスクリーニングすることを試み、一方でがん細胞内部のシグナル伝達を可視化するバイオセンサーや微小環境を可視化する各種蛍光プローブを開発し、がん幹細胞とがん微小環境の相互作用を時空間的に可視化し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的に研究を推進する。本年度は、昨年度に構築し、最適化したマウス全体から細胞レベルまでズームアップで観察できる新規生体蛍光観察システムを用いて、実際にイメージングを行った。まず、昨年度のパイロットスタディーの結果をもとに、ヌードマウスの皮下にヒトがん細胞を移植したがんモデルを用いて、スキンフラップ法を施したのちにマクロからミクロのリアルタイムがん組織イメージングを行った。具体的には、腫瘍塊全体が観察可能な10x10 mm2から細胞レベルの観察可能な0.5x0.5 mm2までズームインを行い、同時に血管造影を行った。さらに応用として、透明な角膜組織で蛍光色素の流れをマクロからミクロで観察する機能解析に成功した。一方、細胞周期を可視化するFucciを導入したがん細胞株については、数種類の細胞株を用いて、in vitroとin vivoで抗がん剤耐性をスクリーニングした。mCherryやtdTomatoが発現するマウスおよび全身でSCAT3.1を発現するマウスの観察は終了した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Cancer Science
巻: 105(10) ページ: 1299-1306
10.1111/cas.12500