動物の本質は「動き」にある。生体内においても、様々な細胞が適切な場所に適切なタイミングで移動・遊走している。近年、低侵襲で深部組織の観察に適した2光子励起顕微鏡を用いて、生体をそのままで観察することで、細胞動態を高解像度で解析することが可能となってきた。本研究者は特に、従来困難であるとされていた、生きた骨組織・骨髄腔の内部を高い時空間分解能で観察することに世界に先駆けて成功し、古い骨を吸収して骨代謝を調節する破骨細胞のin vivoでの活性制御機構を解明してきた。本研究では、これら生体イメージング技術を生かした骨・免疫動態に加えて、同じく“動く”システムであるがん細胞の動態学研究を遂行した。
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