計画研究
本研究では、血管形成のダイナミズムを理解するため、ゼブラフィッシュの蛍光イメージングにより、血管形成における内皮細胞の“形態・運動能”、“細胞増殖”、“遺伝子発現”を制御する分子メカニズムを解析した。(1)蛍光バイオセンサーを内皮細胞で発現するゼブラフィッシュを樹立し、血管新生において内皮細胞形態を制御するシグナル伝達系を解析した。これにより、血管新生によって尾側静脈が形成される際、Bone morphogenetic protein(Bmp)が内皮細胞の先導端でCdc42を活性化すること、さらに活性化したCdc42がアクチン調節タンパク質のひとつFormin-like 3を介して糸状仮足の形成を惹起することで内皮細胞の遊走および血管新生を誘導することを明らかにした(Developmental Cell, 2015)。(2)血管内皮細胞で核転写調節因子-cateninの転写活性を可視化できるゼブラフィッシュを樹立し、血管形成における-cateninの役割を解析した。その結果、尾側静脈の形成には、Bmpによる-cateninの活性化が重要であり、活性化した-cateninはNr2f2の発現を介して静脈内皮細胞の分化を誘導するとともに、静脈内皮細胞の生存を支えることで尾側静脈形成を制御していることを明らかにした。また、Bmpはクロマチンリモデリング因子であるAggf1の発現を誘導することで-cateninの転写活性を亢進することを示した(Development, 2015)。(3)血管内皮細胞の細胞周期を可視化できるゼブラフィッシュを樹立し、血管形成における内皮細胞増殖を解析した。これにより機能的な節間血管の形成には、内皮細胞の増殖と遊走が重要であるが、これら細胞機能は独立して制御されていることが示された(Developmental Biology, 2014)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
eLife
巻: 未定 ページ: 未定
not yet given
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