C型肝炎ウイルス(HCV)感染では持続的炎症が発がん率を高める。しかし、HCV感染による持続的炎症の機構には不明な点が多い。本研究では炎症惹起に重要な働きをするサイトカインの産生がHCVによりどのように制御されているか、また、HCV感染のどのような環境下においてこれらのサイトカインが産生されるかを明らかにする目的で研究を行った。その結果、HCV感染においては既に報告されている免疫担当細胞以外に、HCV感染肝実質細胞と星細胞とのクロストーク、炎症状態で惹起されるAPOBEC1によるサイトカイン産生変化等が存在する事を見いだし、これらが持続感染状態における炎症の維持に寄与する可能性を明らかにした。
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